植物細胞の成長 抑制の遺伝子発見(日経産業9面)

理化学研究所の植物科学研究センターの杉本慶子氏の研究グループが、植物細胞の成長を抑制する遺伝子「GTL1」を発見した、と報じた。この遺伝子が働くか否かで、植物の成長が大きく違うことをシロイヌナズナを使って実証した。
成長への働きの違いは、植物によって異なるが、シロイヌナズナに限って言うならば、2倍の成長の違いが観察できた、という。この遺伝子の発見により、この遺伝子の働きを抑制することで、植物の成長を促進させることができ、収穫量増加が見込めるとのこと。杉本さんは植物の成長過程において細胞の大きさが数倍以上になる現象の解明を研究した結果のひとつという。
この遺伝子が単純に成長だけに関係しているかどうかは今後の研究によって解明されていくのだろうが、遺伝子操作はよく言われているように良い面と悪い面が存在する。悪い面をしっかりと見据えて上で、良い面を大いに活用するよう望みたいものである。純粋にサイエンスに限って言うならば、成長促進する遺伝子発見の多い中、抑制遺伝子の発見は大変大きな意義がある。