電力線通信(PLC)解禁間近

本日の日経朝刊(9面)にて、今月に電力線通信(PLC)が屋内に限って解禁になる、と報じた。これに対して、米国でビジネス先行している松下をはじめ、NEC、住電、富士通(子会社)が参入し、PLCビジネスで各社熾烈な争いになる。
これまでのように、インターネット回線と電力線とを別々に配線しなければならなかったものを、一本の電力線でパワーサプライと通信ができるようになることは、メリットが非常に大きい。ただし、記事でも書かれているが、無線LANとの違いを明確にしていかないとしぼんでしまう。無線よりも4倍ほど高速回線であること、無線の受信範囲が狭いことなどを挙げているが、まだ説得力が乏しい。特に、電力線と通信線とを分離するPLCモデムがどれくらいコンパクトにかつ安価にできるかが、普及のポイントになる。家電にも今後ネット家電として入れていくことになるだろうが、いままでの家電コストに見えるようなコストを上乗せするようでは、普及は困難だろう。NECや富士通などの情報通信メーカはこのモデムの開発競争を行うのであろうが、箱モノを見せて無線LANのルータ市場が先細りしている分を取り戻そうとするのであれば、アウト。端末売値は0として、それを使ったサービスで稼ぐ方向でないとダメだろう。そういう意味では、家電をもっている松下が分がある。
ただ、PLC技術についてはまだ見えない部分もある。無線LANでは暗号化をしっかり行っているように、PLCにおいても、特に集合住宅での情報の漏れがないように対策を打つべきだ。(打っているであろうが)もうひとつは、安全性であろう。電力線を「いじる」関係上、ユーザには過電流等による火災や漏電がないようなモデムを提供しないと一気にビジネスがしぼむ。ソニーの電池問題のようにならないよう、しっかり評価して市場に「安く(只で)」「極小の」ものを送り出してほしい。