国内排出量取引 ICタグで管理 情報学研究所が開発(日経産業11面)

国立情報学研究所が温暖化ガス削減の社会システムの一環として、排出枠の情報を記録したICタグを商品につけ、そのタグの回収で、排出枠分のポイントを消費者に還元するシステムを開発した、と報じた。これまでは、商品購入時に一括して購入者が提示したカードに排出枠分のポイントを与える方法がとられたことがあったが、この方法だと、どの商品がどれぐらいの排出枠をもっているか、その枠がポイントとしてどれだけ還元されたかが不明瞭だった。今回、商品ひとつずつにタグを付け、消費者情報(おそらくあらかじめ登録した番号、か)を登録できる回収ポストに入れた時に、ポイントが付加される仕組みを考えているとのこと。
一つの面白い仕組みだと思う。排出量を消費者に陽に意識できるシステムは、子供たちにもわかりやすい。ただ、コスト面のクリアが大変そう。1つは、タグそのもののコスト。回収できる率にもよるが、返却したタグの再利用の手間もばかにならないだろう。もう一つは、タグの貼り付け。商品それぞれのラインにタグの貼り付けプロセスを追加するのは大変なコスト増になる。手作業による貼り付けもあるだろうが、商品の数次第。
敢えてタグを使う必要もなく、レジでのバーコードでの清算に排出枠も同時に表示、記録させる仕組みでもよいと思う。いろいろなサービスアイデアに無理してICタグを使う話を聞くが、それは無駄な行為だ。それを使う必然性があればよいのだが、無理な使用は必ずどこかで歪みを生じさせ、廃れてゆく。