広告見る通行人、瞬時に識別 NTT、属性に合わせ映像(日経朝刊13面「技術ウォッチ」)

ディジタルサイネージの話。これまでの紙媒体の街中のポスター、広告の代わりに大型ディスプレイに動画広告、ニュースなどをディジタル表示する技術にNTTやNEC、日立などのメーカがこぞって着手し、一部製品にもなっている。単に動画など画面に広告を流すのではなく、広告を見ているであろう人の数、年齢、性別をディスプレイと連携したカメラが認識するところまでを昨今ではディジタルサイネージに含めるのであろうか。
本記事も通行人の属性に合わせて表示する映像を変えるなど、広告効果を最大限引き出そうとする技術について紹介しているが、見ている人が一人ならばまだしも複数の人の共通属性をどうやって認識し、表示に生かすのだろうか。疑問である。一方、見ているであろう通行人の人数に合わせて、という話も結構課題がある。広告と見ている(であろう)人との関心のマッチがこのような単純な属性、パラメータだけでは広告効果があるのかどうか不明である。また、時々刻々と変化する広告も静止画の広告と違い、偶然性も課題である。せっかく通行した人に訴求できる広告媒体を持ちながら、その時に違う広告を流していたら、機会を逸する。ディジタルサイネージの使い方、効果をもう少し練る必要がある。
通行人の属性を認識して、広告に反映させるのではなく、現時点の広告を見ている人がどんな属性の人かを認識し、広告効果(表示への注目度というべきか)を定量的に評価するやり方もある。画像認識技術がしょぼしょぼであっても、ある程度の誤差は許容できる話なので、実現性はそれほど遠いものではない。
個人的には、1枚のポスターが語りかける従来の紙媒体による方法のほうが心に訴える度合いが違うのではないかと思っている。