携帯カメラ映像でナビ 「拡張現実」商機広がる(日経産業3面)

カメラ映像に実際に写っていない情報を表示するAR(Augmented Reality:拡張現実)がビジネスになりつつある、という話。
紹介されている事例は、携帯カメラで撮影している映像に重ねて、行き先の方向を示す矢印や建物、店舗などの情報を表示する「セカイカメラ」と銘打ったiPhone向けアプリ。このアプリは「頓知・(トンチドット)」が開発。一方では、展示会での商品説明を同様にiPhoneを使ってサービスを展開している企業を紹介。さらには、これはおなじみになったが、絵本、雑誌、図鑑などの本をカメラで撮影するとその付加情報として映像や3D図面などが浮き上がるディジタル「飛び出す絵本」などの紹介もある。これらは、拡張現実の一例として紹介されており、このように映像に写っていない情報をネットなどを介して付加して表示するサービス、アプリがビジネスとして立ち上がってゆくだろう、ということである。
技術としては、カメラで写しているものがなにか、どこで撮影しているのかなど、位置や物体、状況・情景を認識する技術が必要である。画像認識技術やGPS、LANによる位置検知などいろいろ方法論はあるが、いかに携帯のようなローパワーな素材で実現するかがキーになる。上記のナビのようなものならば、即時性が重要なファクターだ。
ただ、携帯のパケット量が双方向馬鹿にならなくなるので、docomoの場合では、パケホーダイダブルが必須か?パケット量が増え続けるとインフラへの投資も必要になるので、パケホーダイの新バージョンで実質値上げもあるか?キャリアが儲かる仕組みばかりだ。
さて、拡張現実:ARだが、仮想現実(VR:Virtual Reality)に始まり、複合現実(MR:Mixed Reality)を経てきたが、Realityシリーズとしては第3弾。なにが違うのか。仮想現実はコンピュータで作り出した現実世界を模したもの。複合現実は、仮想現実と実世界をミックスしたもの。さて、拡張現実は?複合現実のサブセットとして捉えるほうがいいのだろう。より現実的にビジネスができるものとして非現実的な機能を削ぎ落としてできたもの、と勝手に解釈する。今回の技術はより現実的なものに思える。これはこれで面白いが、もっと飛んでいる技術も期待したい。V→M→Aと遡ってきたのだから、Sまで戻って超現実(Surréalisme)としては芸術性の高いものへと二元化していくのもどうか。