注目!この素材「亜歴青炭」(日経産業14面)

亜歴青炭という石炭をこの記事で初めて知った。石炭には、JISでの分類で、無煙炭、歴青炭、亜歴青炭、褐炭の4種類を指すとのこと。これまで、工業用に広く使われていたのが、無煙炭や歴青炭で炭素含有料が多いものが多かったそうだ。それが中国、インドの新興国が工業が盛んになるにつれ、これらの良質の石炭がそれらの国に流れてゆき、入手が難しくなったようだ。特に、日本の石炭輸出国である中国は内需用にと輸出量が減るのは当然だろう。そこで登場したのが、亜歴青炭である。これまで、水分を多く含み、炭素含有料が少なかったために、燃料として発熱量が小さい亜歴青炭が脚光を浴びるようになった。藁にもすがる思い?という悲観的な話ではない。その背景には、この質が劣る石炭をうまく燃焼させる技術が進歩した、ということである。
この技術が進歩することによって、亜歴青炭はよい面が見えてきた。1つは、世界の石炭の可採埋蔵量が2700億トンに対して、亜歴青炭はその3割を占めているという、埋蔵量の豊富さがあげられる。特に、燃焼技術を持っている日本が(言い過ぎだろうが)独占的に使えるようなものだ。価格は安いかどうかは不明。ただ、日本でも多くの埋蔵量をもつという。
もう一つは、歴青炭などの品質のよい石炭に比べ、硫黄分や灰分が少なく、環境にやさしい、という面である。とは言っても、所詮化石燃料であるが故、原子力などとは環境への影響度は比較の対象ではないだろうが。
石炭の燃焼効率をあげるために、液化やガス化の技術が進む中、あまり注目されてこなかった、亜歴青炭は、(新エネルギーの中継ぎとしてだろうが)期待できる燃料であることは確かだ。