「日本の若い人は努力が足らない」 下村さん、安定志向に警鐘(日経朝刊46面 日経産業11面)

2008年度のノーベル化学賞受賞者の下村脩ボストン大学名誉教授が、受賞後初来日し、記者会見を開いた。インタビューの中で、日本の若手研究者が失敗を恐れるがゆえにリスクをとって突き進もうとする元気がないことを指摘。安全志向型の研究者であることに対して苦言を呈した格好である。
これは、若手研究者に限った話ではない。ビジネスマン・ウーマンを含め日本人全体に言えることである。チャレンジ精神が欠けている。失敗を恐れすぎている。というところか。特に顕著なのが、10歳代、20歳代の年齢層。敢えて冒険することなく、安穏とした生活に満足している。興味のあることなのにもかかわらず、その前に立ちふさがるリスクに怖じ気づき、まあいいや、で済ましてしまう。これでは、新しい技術が生まれてくる土壌にはならない。
もちろん、モノが恵まれ過ぎて、困った状況に置かれていない現状がそのような気質を生んでいるのかも知れないが、金融危機を発端とする日本の不況期において、十分危機感を感じてもいいものだが。失敗に対する許容度が低い社会、組織の問題もあるだろうが、人のせいばかりにしていられないハズ。下村先生に改めて言われるまでもなく、リスクを自らがとっても新しいことにチャレンジする自分でありたい。