高速充電技術 EV支える「30分以内」(日経産業9面 2030年への挑戦 次世代産業技術)

日経産業新聞の特集記事「2030年への挑戦 次世代産業技術」で、電気自動車(EV)に欠かせない高速充電技術の状況についての解説記事がある。
電気自動車の2次電池に燃料である電気をいかに早く供給できるか、は電気自動車普及の鍵になる。今までは、家庭や事業所に駐車する夜間の時間帯をねらって、6時間以上かけて充電してきたが、普及には途中電気がなくなるというユーザの不安を取り払うことが心理的にはユーザビリティの観点からも必要不可欠である。この記事では、東京電力高岳製作所が共同で開発した、「30分以内」で充電できる装置が紹介されている。
もちろん、この装置は300万円以上し、設置工事にも(条件にもよるが)数百万円以上する高価なもの。ユーザにその分を負担してもらうにしても、単価の安い電気なだけに、回収さらには利益を上げるには日数がかかる。さらには、充電器そのものの耐久年数の問題もあり、利益をあげるには現在の年数では少ない場合もある。なかなか技術がついてきてもコスト面がついてきていない状況。この高い設備の投資回収ができるビジネスモデルが必要である。
一方、電池においてもこの急速充電に対応できる技術が必要になっているという。東芝では、普通n充電でも劣化し、充電効率が落ちる電池負極の炭素端子をチタン酸リチウム端子に代えることで、急速充電でも劣化しにくい電池の開発をすすめているようだ。
このように、電気自動車普及のために、様々な技術開発を進めているわけだが、車が三菱から先にでてもそれを支える技術がまだついてきていない。周辺技術の開発にも力を注がないと、ハイブリッド車の次の電気自動車の時代が遠のく。
ちょうど同じ新聞の26面に、日産も電気自動車に命運をかけるという話が載っており、今回の特集記事にかぶっている。日産の場合、車も充電器も電池もすべて自前で作ろうとしているようだが、これでは体力がもたない。各技術は協力しあって分担していかないと、一社でどうなることではあるまい。