インフィニティ BD・CD一体化 ハイブリッドディスク開発(日経産業1面)

元日本ビクターの技術者が2008年に創業したインフィニティ・ストレージ・メディア社が、古巣の技術を使ってブルーレイディスクとコンパクトディスクの両方の記録層をもつハイブリッド型ディスクを開発した、と報じた。このディスクで、BDプレーヤーでは映画を、CDプレーヤーではその映画の音楽を再生することができる、という。技術的なポイントは、それぞれ異なる波長のレーザピックで読みとれるように、いかに記録層を作ったか、ということ。BDとCDの2層になるので、一方の層は他方のレーザ光を透過して読めるようにしなければならない。今回、CDの記録層よりもBDの記録層が前面に出るように配置し、BDの記録層がCDの赤色レーザを透過しやすいように作ったということらしい。従って、現状のBDとは異なる製造過程が必要になり、コストアップの要因になっているのだろう。
技術的には面白いものだが、現状のBDコスト+CDコストよりもかける意味がどこまであるのかが課題だろう。つまり、通常のBDとCDとをセットで売るのと、今回のハイブリッドディスクを売るのとで、ユーザにとってどんなメリットが享受できるのか、が問題だ。確かに、1枚のディスクでプレーヤーに合わせてBDとしてCDとして役割を変える、というのは発想としてはわかるが、今後カーオーディオもBDプレーヤー搭載が増えている状況下で敢えてCDプレーヤーも念頭に置いた本ディスクの意味合いがそれほど強いようには思えない。BDプレーヤーも低価格化が加速する中、本ディスクの価格がBD単体と変わらないのならば生き残りもありうるが、少しでも高いのであれば、苦しい戦いを強いられるのではないだろうか。