あかずきん 〜富士通のバイオメトリクス〜

たまたま、日刊工業新聞社発行の「機械技術」(2006年9月号)というマニアックな雑誌に目を通していたところ、15ページから6ページ分の広告記事に富士通の「世界名作セキュリティ劇場」なるものが掲載されていた。内容は誰もが知っている「あかずきんちゃん」。この6ページ分の広告には、手のひら静脈認証をはじめ、顔認証、指紋認証、声紋認証といった富士通が手掛ける4つのバイオ認証をあかずきんちゃんを題材に紹介している。狼があかずきんの家を訪問し、狼がおばあさんに化けていることをバイオ認証で明らかにする、というもの。大変子供にもわかりやすい、親しみやすい内容と絵になっており、あのお堅い富士通さんにして珍しい広告である。これまでの広告とはちょっと違うな、と感じさせるものである。
ただ、2点が気になる。

  1. なぜ、「機械技術」という超マイナーな雑誌(専門家の皆さん、失礼!)にこのような秀作の広告を打ったのか?6ページ分の広告ですから、広告費が安かった、という理由ではないでしょうね。これはいただけません。一般紙にこれを打てば話題になること必定。
  2. あかずきんちゃんのストーリーと違う。あかずきんの家に狼が訪問するというのは、反対。(とはいっても、そもそもあかずきんの話にはおかしな点がいっぱいある。たとえば、花を摘んでおばあさんにプレゼントしな、とあかずきんを狼が唆して、あかずきんを待ち伏せする時間を稼いだという話があるが、その場で食べてしまえばよかった、など)

とにかく、マイナーな雑誌だけど、一見の価値のある広告でした。