赤ちゃんの呼吸 体の動きで判断 慶大がシステム 突然死解明に応用(日経朝刊13面)

慶応義塾大学の中島真人教授らの研究グループが、赤外線スポット光の点列の動きで赤ちゃんの呼吸状態を計測し、無呼吸発作など呼吸状態を調査する研究を開始した、と報じた。赤外線スポットは赤ちゃんの胸部や腹部を照射し、その点列をカメラで撮影する。それら点列の動きを画像解析して赤ちゃんの呼吸状態を推測するらしい。
赤外線スポットなので、撮影環境の変化には追従でき、安定な計測が可能だろう。従来のパッチを付けて心拍数などをモニターする方法では、デリケートな赤ちゃんの皮膚に炎症を起こす可能性があったという。ただ、新生児は体を大きく揺らしたり、寝返りしないので当てているスポットの位置が大きくはずれないだろうが、四六時中同じ部位に照射することは難しい。画像全体でレジストレーション(位置合わせ)をしなければ、赤ちゃんを移動した場合や保育器などを移動した場合にずれが生じるので、その都度専門家が調整する、というのでは使い物にならない。パッチにかぶれやすいというのであれば、違った素材などを試すほうが現実的。赤ちゃんの動きをコントロールできない以上、非接触で計測するのはかなりの難易度である。少なくとも、1週間程度の現場実証をおこない、可能性、課題を探るべきだろう。