プロジェクター 手のひら時代 プレゼンなどに手軽に大画面 参入続々 人気”映す”(日経産業3面)

マイクロプロジェクタと呼ぶ手のひらサイズのプロジェクタの動向記事である。住友スリーエムのマイクロプロジェクタは知っていたが、記事にはそれより安いもの、高機能なものなど5機種紹介されている。デスクトップタイプの据え置き型プロジェクタが売れなくなった裏で、手のひらサイズはシェアを市場全体の2%弱から17%ほどに伸ばしているとのことだ。(ただ、シェアは据え置き型とはユーザや用途などターゲットが違うので同じ土俵で調査するべきか疑問だ。)
技術的に見るべきところは、光源の進歩。これまで高圧水銀灯であるUHP(Ultra Hi-Performance)ランプがプロジェクタの光源として長く使われてきた。大光量でかつ小型化できるメリットのある光源だが、熱を多く発生し、経時とともに光量が落ちてゆく課題があった。それに代わるものとして、省エネの代表としても注目を浴びているLED照明。この技術がプロジェクタにも使われたということだ。低消費電力で周辺回路、LEDそのものも小型化できるが、光量はいま一つのLED。この課題がマイクロプロジェクタの問題点として表に見ている。現在の商品では、15ルーメンが最高。暗い部屋でないとはっきり見えない。そのために画面も最大で40インチ程度。もちろん、小型というメリットは大きく、持ち運びは問題なく、プレゼンを気軽にできる。セールスにはもってこいの機材だ。
今後は、この光源はレーザになってゆくだろう、と記事では解説する。レーザの発生回路も単純、さらに省エネ。光源も強力、と言うことない素材である。熱も少ない。組み込みに向いているそうで、ノートPCやケイタイにも組み込む可能性をもっている。ただ、レーザの場合照射範囲が絞られるので、大画面というわけにはいかないだろう。最初は20インチ程度からか。それでも、ノートPCをもっていけばプレゼンや2画面使えるというのであれば、メリットは大きい。据え置き型のプロジェクタと持ち運びから内蔵のモバイルプロジェクタと2極化してゆくことだろう。その割には、据え置き型のプロジェクタの機能は向上しない。無線LANによるコードレスやUSBメモリ対応だとか、差し棒の位置検知によるインタラクティブプレゼン支援など既にあるが、もっと大きい筐体であるが故の機能を入れ、モバイル型との差異を鮮明に「映し出して」ほしいものだ。