人工皮革に使うポリエステル 全量、再利用素材に(日経産業1面)

帝人は2009年度中に人工皮革に使用するポリエステルを100%リサイクル素材にする、と報じた。これまでのリサイクル使用率は30%程度。特に、シューズなどのスポーツ用品を想定して使ってゆく方向。
帝人はこれまでにもリサイクルしたいわゆる、再生ポリエステルをエコバックだけでなく、自動車のタイヤにも使用してゆく試みを続けてきた。しかしながら、再生ポリエステルは、不純物を取り除ききれず、原料ポリエステルに比べ粘度が低くなり、高耐久性・強度を求める用途には、原料ポリエステルと混ぜることで粘度を向上させてきた。帝人の技術力であろう、ポリエステルの再生技術の進歩により不純物除去が大幅にUPしたのか、再生ポリエステルだけでシューズなどの下地にも使えるようになった。
それでも用途は限定で、濾過に使用する中空糸などの強度の必要な用途にはまだ粘度が足らない状況である。ただ、帝人のリサイクル関係の記事をこれまでに追ってゆくと、ここ2、3年の技術の進歩は目まぐるしいものである。もう2、3年で再生ポリエステルの「再生」という文字が完全にとれ、高リサイクル使用率素材としての先鋒になるに違いない。
価格面に関しては、まだ再生プロセス分割高になってしまうが、それでも目指すところは数%UP。リサイクル素材の政府の優遇措置によって拍車をかけてほしいものだ。