透明2次元コード 広告での利用提案(日経産業12面)

電気通信大学の小池英樹教授の研究グループが情報を記録した特殊なシートを開発した、と報じた。このシートは透過する光の偏向を変化させ、肉眼ではシートに記録した情報が読めなくするもの。肉眼が光の振動方向に関しては視認できないという特性をつかったもので、無偏向のカメラでは情報が読みとれる。もちろん、シートそのものが発光するわけではないので、シートのみを撮影しても情報は読みとれない。このシートをモニタに張り付ければ、モニタからの光越しに情報を読みとることになる。利用シーンはディジタルサイネージ、という。モニタに映し出された映像に関連する付加情報をシートに記録することで、携帯のカメラで読みとるといった使い方だそうだ。
この使い方では、ディジタルサイネージの魅力が半減以下。モニタに表示する情報をアダプティブに変化させることが魅力の一つ。それが、付加情報だけはシートに記録されたもののみで固定。これでは、ポスタなどの紙媒体の広告と変わらないではないか。この使い方はボツ。
このシートの製造コストにも関係するのでなんともいえないが、通常は見えないが、何かにかざすと情報が読めるようなシーン、たとえば現在のICカードのような使い方を遠隔でも可能にするような利用シーンを考えた方がまだ筋がよいのではないか。使い方の発想が最近の流行に踊らされている感がある。