自治体向け交通システム カーシェア+オンデマンドバス併用(日経産業1面)

東京大学とユーピーアールが共同で、カーシェアリングとオンデマンドバスを組み合わせて、効率的に目的地に到着できる交通システムを開発する、と報じた。なぜ、自治体?と考えるが、実証実験の場所提供という意味合いが強いようだ。自動車を複数人で共同利用するカーシェアと利用者の乗車場所、時間に合わせて自由に運行路を変更して運用するオンデマンドバスの組み合わせが果たして効率のよい交通システムになるのかどうか、現段階ではシミュレーションの段階だからなんとも言えないというのが本当のところだろう。
いろいろな利用者の要望のある中で、運用する自動車やバスの台数などもコスト意識が多少なりに向上してきた自治体において最適解を求めるのは難しいことだ。今回は、東大の大和裕幸教授の研究グループが中心に活動するようだが、おそらくオンデマンドバスの逐次予約をどう効率よく運行するかのシステムプランニングの技術の一環として捉えようとしているのだろう。柏キャンパスでの実証実験のノウハウもあるのだろうが、あの閑散としたキャンパス周辺ではどれだけ汎用的な評価ができるのかはわからないものの、モデルの汎用性にも期待したいところである。
このような単なる要素技術ではなく、社会システムをどのように効率的に運用し、利用者の利便性を向上するかは重要な研究である。ただ、地域性などの実証条件と汎用要素とを分離し、他の地域でも活用できるかが常なる課題である。